ZRX1100改1300エンジンのクランク&コンロッド部です。アメリカのレースで有名なファリコン社で加工したクランクシャフトと同社製コンロッドです。コンロッド、クランク共にエアロを考えたカタチになってます。尚クランクシャフトはストロークアップ加工がなされ本来58mmストロークなのが63mmストロークとなります。更にφ81mmピストンを組み合わせることにより排気量約1298ccのオバケエンジンとなります。
レースで使うのでここまでやりますけどアホみたいにコストがかかりますし、こんな強烈なエンジン作ってもストリートでは持て余します。一般道では国内仕様のノーマルが1番乗りやすくて僕は好きです。
φ81にボーリングしたシリンダー(ライナーは打ち替えています。)です。
ライナーはスペシャル品です。
ピストンクリアランスは6/100mmにしました。
コレがφ81ピストン。前にストロークアップさせない状態で使っていましたので頭が汚れていますが、キチンとあとでもっと洗浄して使いますので許してください。
シリンダーがライナー入れ替え&ボーリングから帰ってきたのが5月17日でした。で、根性で今日中にエンジンをかけると自分で目標を決め作業しました。そして私はやり遂げたのです。意外にすんなりエンジンはかかりました。圧縮比は13.8対1、バルブタイミングもカムスプロケットに加工を施し調整しています。チラリと写っているキャブはケーヒンFCR41です。
配線や配管のまとめができましたら全体の写真をアップします。
全体像。パッと見ハードカスタムに見えないよう派手な部品の装着はできるだけ避けています。バイクを知らないオッチャンやオバチャンにまで改造車であることをアピールする必要はないので目立たせないように気をつけて改造するよう心掛けています。 車体まわりの部品をバラして再度装着する際、なんとか強度を落とさず軽量化できないかを常に考えています。エンジンのカバーを留めてるようなあまりトルクのかかっていないボルト等はアタマが10mmだったら8mmに換えたり、L-15mmもあれば充分固定できるのにL-20mmボルトが使われている場合は15mmにしたりしています。(※強度に関するところは冒険してはいけません。)日々のこういう積み重ねが未来に花を咲かせるのです。
キャブレターは上でも書いたようにFCR41です。御存じの方はどれだけおられるかはわかりませんが、キャブのスピゴットにはカワサキが少し生産したZZR1100エンジンを搭載した4輪車、X11(ホンダX11ではありません)のものを使用し、超ショート仕様にしました。ドライブスプロケットカバーは穴開け&裏側の薄肉化により軽量化。クラッチレリーズピストンまでの配管はタッチ変更の意味と必要を感じなかったのでノーマルです。燃料タップ(コック)は燃料の流量確保の為、ピンゲルのレ−ス用タップ、ガズラーに変更。冷却系も普通に走ってる分には正常な水温を示すので全てノーマルです。 点火系はダイナ2000。コイルはZX7RR(ZX750N1)のコイル。
ハンドルまわりはほぼノーマル。スロットルホルダーにマグネシウム製のものを使ったり、各部に軽量チタンボルトやジュラルミンのナット等を使い、軽量化には気を使っています。メーターは国内仕様(元々国内仕様ですけど、、、)のノーマルです。レースのときはあっという間に振り切ってくれるので面白いです。いつぞやFISCOを走ったときはゼロのところ、針のストッパーのところまで針がきて、メーターが故障したと思いました。スロットルを戻すとスーと何ごともなかったかのように針は戻っていきました。
ブレーキはブレンボφ320ディスクにニッシンの6ポットキャリパーの組み合わせ。しかしこの組み合わせは現在では許せないものがあります。今だったらディスク径を310mmに落とし、キャリパーサポート無しで組みたいところです。ホイールはマルケジーニのマグネシウム製。元々白塗りだったのですが、軽々しく見えると思ったので缶スプレーで黒く塗りました。
リヤもマルケジーニのマグネシウムホイール。これは普通にZRX用として売られているものではなくZX7RR(ZX750N)用スーパーバイクキットのものを加工して装着しました。ディスクも7RRのキットのものです。コレはハブまわりがコンパクトでカッコいいと自己満足しています。リヤアームはアドバンテージ製で約1インチ長くしました。リヤサスペンションは余り物のホワイトパワーを装着。まぁ、普通に使えています。 元々よくできたバイクですのでバカなパワーアップしてもしっかり受け止めてくれますね。色々雑誌見てると補強だなんだと書かれてますけど通常使用の場合、何もせんでもええというのが私の意見です。しかし機能部品をグレードアップした機械の何とも言えないオーラというか雰囲気を求めるのは賛成です。私もカタチから入る方ですので、、、、
現在約350キロ程走行しました。今迄経験したことのないトルク感です。スロットル一ひねりでグングン加速します。冷却もノーマルラジエターで充分まかなえています。しかし圧縮がとんでもなく高いのでヘッドガスケットが抜ける可能性があります。とりあえずガスケットが抜けるかシリンダーライナーにクラックが入るかするまでは走行できると思います。今度オートポリスでゼロヨンがありましてエントリーしてますのでテストしてきます。過去にNOSを使った1195ccの仕様でゼロヨン9秒6位を出してますので、この1300cc仕様はいかがなもんでしょう?機械的に無理しまくってるので壊れるかもです。
約450キロ程走行した状態で九州のオートポリスで開催されているゼロヨンフェスティバルに出場してきました。かれこれ10年以上参加を続けていまして私のライフワークとなっています。エンジンをチューンして、そのバイクを自ら走らせ結果を出すという、我々エンジンを触る者にとって格好のテストの場です。で、結果はベストタイム9.944秒でクラス2位でした。エンジンのフィーリングは下のトルクは目を見張るものがありますが、10000rpm付近のエンジン回転が圧縮が高すぎるせいか重い感じです。最高速アタックでギヤ比の選択ミスしたような回転のアタマ打ち状態といいますか、11000rpm回すのがやっとでした。同じバルブタイミングでストロークアップしてない仕様のときは13000rpmまでストレスなく回りましたのでとりあえず圧縮が高すぎと判断しています。恐れていたヘッドガスケット抜けは大丈夫でして、ホッとしています。こういう場でないと真の実走テストは難しいですので良いテストができました。次回は少し圧縮を下げるかバルブタイミングを見直してみようと思います。
※写真は2004年の最終戦のものです。